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着物をこれから着はじめたいという方で「着物の帯の種類」がよくわからずお悩みの方もいるかと思います。着物の帯は長さや幅などのサイズや柄付けなどによって種類があり、着用シーンも異なるため、あらかじめ基本的なルールをおさえておくと安心です。
今回は着物の帯の種類や見分け方など、帯に関する基礎知識をわかりやすく解説します!着用シーンごとにおすすめの帯の合わせ方も紹介するので、着物の帯について理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。
着物の帯はぜんぶで何種類?帯の基礎知識
着物の帯について、種類や使い分けについてわからない方もいるかと思います。はじめに着物の帯に関する基本的な知識をおさえておきましょう。
基本となる帯は3種類
着物の帯は、基本的には以下の3種類です。【着物の帯 3種類】- 袋帯(ふくろおび)
- 名古屋帯(なごやおび)
- 半幅帯(はんはばおび)
現代では、上記3種類の帯を着物に合わせて使用するのが一般的です。豆知識として紹介すると、着物の帯には上記のほかに「丸帯(まるおび)」という帯があります。
丸帯は、袋帯の裏面にも豪華に柄を織り込んだ帯です。袋帯2本分の重さがあるため扱いづらく、さらに袋帯にくらべて長さが短いため、一般的に使用されることはほとんどありません。現代では主に婚礼衣装や舞妓さんの帯として使用されています。
着物の種類や着用シーンによって使い分けが必要
着物の帯は、着用する着物の種類や着用シーンによって使い分ける必要があります。着物の種類によって合わせる帯の種類は異なります。さらにフォーマルな席で着物を着用するときは格の高い帯を、カジュアルなシーンでは気軽な帯など、着用シーンによって帯を選ぶのが基本です。帯の種類ごとにおすすめの着用シーンは後述します。
着物の帯|種類による特徴と見分け方
着物の帯を代表する3種類「袋帯」「名古屋帯」「半幅帯」について、特徴や見分け方について紹介します。
袋帯(ふくろおび)
袋帯は、主にフォーマル用の帯として使用される帯です。サイズは幅約31㎝、長さ約4m20㎝以上あり、二重太鼓といってお太鼓を二重に重ねて着付けます。長さが十分にあるため、振袖のときには変わり結びという華やかな帯結びも可能です。
袋帯は金糸・銀糸を使って織られた礼装用の帯が多いです。ただし金銀を使わず、色糸を中心に柄を織り出したおしゃれ着用の袋帯もあり、こちらは「洒落袋(しゃれぶくろ)」と呼ばれ区別されます。
柄付けは、全体に模様のある「全通柄(ぜんつうがら)」、全体の6割程度に柄のある「六通柄(ろくつうがら)」・お太鼓と前部分のみに柄をつけた「お太鼓柄(おたいこがら)」の3種類に分けられます。
見分け方としては、金糸銀糸の使われた豪華な帯であることや、サイズを測り4m以上あれば袋帯の可能性が高いです。
名古屋帯(なごやおび)
名古屋帯は、セミフォーマルからカジュアルまで利用範囲の広い帯です。サイズは幅約31㎝、長さ約3m50㎝前後です。一重太鼓といってお太鼓が1枚の状態になるように着付けます。名古屋帯は織りの帯、染めの帯ともに多く見られます。
金糸銀糸で織られた織りの名古屋帯は、袋帯に近い品格を持ちながら袋帯よりも気軽にしめられるためセミフォーマルの席にぴったりです。季節感のある柄を染め上げた染めの名古屋帯などは、おしゃれを楽しみたいカジュアルな着物に合わせます。
柄付けは袋帯と同じく、全体に模様のある「全通柄(ぜんつうがら)」、全体の6割程度に柄のある「六通柄(ろくつうがら)」・お太鼓と前部分のみに柄をつけた「お太鼓柄(おたいこがら)」の3種類に分けられます。
見分け方は、幅が30㎝程度で長さが4mなければ名古屋帯といえます。また、染め帯の場合は袋帯よりも名古屋帯である可能性が高いでしょう。
半幅帯(はんはばおび)
半幅帯は、主にカジュアルな着物に合わせる幅の短い帯です。サイズは幅約15~17㎝、長さはさまざまですが、3m30㎝以上あれば変わり結びを楽しめます。
半幅帯は織り・染めともに作られているため、着用する着物や季節に合わせて選びましょう。半幅帯の中でとくに有名なのは、浴衣に合わせる博多織(はかたおり)の半幅帯です。半幅帯は袋帯や名古屋帯の半分ほどの幅なので、見分けはつきやすいでしょう。
<着用シーン別>おすすめの帯の種類は?
現代で使用する帯は主に3種類(袋帯・名古屋帯・半幅帯)で、着用シーンによって使い分けます。着用シーンごとにおすすめの帯の種類について、シチュエーション別に紹介します。
ホテルでの結婚式などフォーマルな席:豪華な織柄の袋帯
ホテルでの結婚式など、フォーマルな席では金糸・銀糸を使った織柄の袋帯をしめましょう。結婚式では、参列する立場ごとに着用する着物の種類が異なります。- 新郎新婦の母や祖母:黒留袖
- 親戚:色留袖や訪問着
- 友人知人:訪問着など
いずれの場合も、格調高く豪華な織りの袋帯を合わせるのが基本です。人生の晴れの席である結婚式には、礼装の着物に合わせた格の高い袋帯で礼を尽くしましょう。
入学式などのセレモニー:落ち着いた色柄の名古屋帯
入学式などのセレモニーでは、落ち着いた色柄の上品な名古屋帯を合わせましょう。入学式、卒業式、七五三は、子どもが主役のセレモニーです。付き添いの立場である母親は、付け下げや色無地など少し控えめの着物がふさわしい装い。
金糸・銀糸の豪華すぎる袋帯よりは、きちんと感もありながら落ち着いた印象の名古屋帯がぴったりです。品格のある有職文様の織り名古屋帯などはとくにおすすめです。
ランチ会や観劇などのお出かけ:おしゃれなデザインの名古屋帯
ランチ会や観劇などのお出かけでは、おしゃれなデザインの名古屋帯がぴったりです。カジュアルなお出かけシーンには、小紋や紬などにお好みの色柄の名古屋帯を合わせればOK。たとえば季節感のある柄の染め名古屋帯などをしめていけば、お友だちとの会話にも花が咲くことでしょう。
おしゃれを楽しむ席では、好みのデザインの帯を合わせた自分らしい着こなしで出かけましょう。
家着や買い物に行くときの普段着として:気楽な半幅帯
家で過ごす時間が長いときや近所に買い物に行くときなどは、気楽な半幅帯が便利です。半幅帯はさっとしめられる手軽さが魅力。お太鼓がない分身軽なので、普段着の着物に合わせるのにぴったりです。木綿やウールの着物、気さくな紬などに半幅帯をしめれば、ワンマイルウェアとして普段使いできます。
普段着として着物を着るときは、気楽な半幅帯を活用するのもひとつです。
<まとめ>TPOにふさわしい帯のご相談もえり正まで
今回は「着物の帯の種類」について、種類ごとの特徴や見分け方、着用シーンごとにおすすめの帯を紹介しました。帯の合わせ方をはじめ着物には着用のルールがあるので、プロに相談しながら選ぶのがもっとも安心です。
呉服専門店・えり正では、着物のプロがTPOにふさわしい着物や帯のご相談をお受けいたします。着用シーンにふさわしい着物と帯の選び方はもちろん、「この席にこの着物と帯で大丈夫?」「コーディネートは古臭くない?」などのお悩みにも、手持ちのお着物をご持参いただければ丁寧にアドバイスをさせていただきます。
着物に関するお悩みはどんなことでもお気軽にご相談ください。
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