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大島紬は先染め織物の着物です。反物を織る前に図案に基づいて絣の技法を施し、糸1本1本に微妙に異なる点を染めてから、絵画のような精密な絣模様を「織り」で点を重ね合わせて表現しています。一説によると、奄美で生まれた大島紬の起源は1800年前。日本で最も長い歴史と伝統を持つ絹織物です。
また、世界一精巧な絣織物で、ゴブラン織・ペルシャ絨毯とならぶ世界三大織物の一つとされています。
この記事では、そんな大島紬の着物の魅力はいかにして生まれるのかなど、大島紬の製造工程を徹底解説しています。それでは日本が世界に誇る精緻な世界をお楽しみください。
世界三大織物の一つ「大島紬」の特徴とは
大島紬の制作工程のほとんどが職人の手作業によるもので、反物が仕上がるまで1年前後の時間を要します。
製作は、デザインされた原図を方眼紙に描き写して、種別、糸の密度などに合わせて、図案を作る作業から始まります。伝統的な大島紬の絣柄は、奄美大島の自然を模様化したものが多く、たとえば、大島紬で最も有名な「龍郷柄」は、ソテツに登るハブのうろこの美しさを図案化したものです。
図案調整では、模様を縦の線と横の線に分けて、線の交差を点によって表現していきます。複雑なデザインになると数万もの交差の点が必要になることもあります。
大島紬の製作は「1年」かかる!
大島紬ほど精巧な織物を作るには28工程にものぼる準備加工が重要です。反物を織る前のあらゆる工程では、仕上がりのすべてを計算に入れており、それぞれの工程に担当する職人がます。もしひとつの工程でも欠けてしまえば、この大島紬の伝統文化は途絶えてしまうのです。
大島紬独特の準備加工として、整経・糸繰り・糊付け・糊張り・部分脱色・すり込み染色・絣筵ほどき・綾ひろい(柄合わせ)などがあります。
大島紬独特の工程①「糊張り」
締機(しめばた)で絣(かすり)を織込むために、その図案に基づいて、絹糸を必要な本数を均一にそろえ、ずれないように糊で固め、棹に張り、天日で十分乾燥させます。この糊は、奄美大島で採れる「イギス・フノリ」という海藻を鍋で煮て、溶いて作られています。糊が防染の役割も果たし、過酷な泥染めに耐えられるのです。
また、海藻糊を使うことで、製品化したときに「虫がつきにくい、ツヤが出て風合いがよい、加工処理しやすい、伸縮がよい」などのメリットがあります。次に「締め加工」に入ります。
大島紬独特の工程②「絣締め(かすりじめ)」
大島紬の魅力のひとつが「精巧な絣」の美しさです。世界で最も緻密に織られる秘密が、写真の「締め機(しめばた)」にありました。染めや織りの前に、この締め機を用いて「絣筵(かすりむしろ)」を織ります。これは「絣締め」加工という工程で、大島紬独特の技法なのです。
少し太めの素麺のようなベージュ色の糸が、木綿糸(ガス糸)です。大島紬の図案に従いながら、木綿糸で絹糸を強く固く織り込んでいきます。こうすることで、後に泥やテーチ木などの染料で絹糸を染めても、この木綿糸に織込まれた細かい部分が防染され、絣模様に合わせて小さな白い部分が絹糸に残ってくれます。
大島紬は「2度」織られている
大島紬だけは、この絣締め加工で一度、締め機で一反分まるまる織ってしまうので、「大島紬は二度織られる」と言われます。
奄美以外の紬は糸くくりなどで絣模様を出すのに対して、大島紬の職人たちは、絣模様をより緻密に、より複雑に、より正確に織り上げたい。そんな情熱だけで、奄美では締め機が独自に開発され、生地を二度も織っているのです。
締め機は豪快で、強い力を要する「いんが ぬ しごと」
「いんが ぬ しごと」とは、奄美で「男の仕事」という意味です。写真の締め機をよく見ると、地面に「鎖」が打ち付けられています。これは、経(たて)糸の木綿糸と緯(よこ)糸の絹糸を固く締める度に、5kg/回以上の力が締め機にかかり、地面に固定させないと締め機が移動してしまうから。
織り手にそれほど強い力が必要なことから、織機よりも大きく、奄美大島では男の仕事とされてきたのです。
絣締めは、大島紬で最も細心の注意を要する技術
豪快な締め機なのですが、細かい絣模様を表現するための工程ですので、絣筵に数ミリの誤差でもおこしてしまうと、染めムラが出たり、絣の柄が合わなかったりと、非常に複雑で繊細な作業です。
綿密に描かれた図案の読みとり、オサ打ちの力加減、伸縮する絹糸の引っぱり加減、さらには、その日の天候や気候、湿気、風向きまで気を配る作業の連続の中で、数ミリ単位の誤差を出さない高度な技術も必要とします。
大島紬独特の工程⑶「絣筵(かすりむしろ)」
上の白い布が締め機で織られた「絣筵(かすりむしろ)」で、これをテーチ木や泥で染めると下の黒い絣筵となります。一枚の長さが十センチ前後で、大島紬一枚の反物をつくるのに約百枚が必要となります。
絣筵からチョロチョロと出ている糸は木綿糸です。木綿糸でしっかり締められた場所は染まらならず、糸をほどいて広げると光沢ある白い点々が見えます。その点々を重ね合わせて柄を作っていきます。
大島紬の泥染工程とは
奄美の大島紬は、美しい「地球の大地」と「自然の草木」で絹糸が染められています。美しい大島紬の染料となる「テーチ木」と「泥」をご紹介していきます。
奄美大島に自生する「テーチ木」のチップ
泥染めで染料となるのは、テーチ木(車輪梅)と呼ばれるバラ科の常緑低木で、奄美大島にはテーチ木がたくさん自生しています。上の写真が、テーチ木の幹や根を細かく砕いて、チップ状にしたものです。
私がテーチ木を採る現場も見たいと職人さんに頼んでみると、「素人ではハブに咬まれるから、やめときなさい」と言われるほど、とっても危険なお仕事なのです。
テーチ木を煮出して熟成させた染料
この染料の作り方は、先ほどのチップ状のテーチ木を、12~14時間かけてじっくりコトコト煮込み、さらに2日かけて熟成させます。そうすると、タンニンがたっぷり含まれた、少しトロミのある褐色の液体になります。
「カラスの濡れ羽色」と評される大島紬の色彩は、このテーチ木のタンニンと奄美の泥田の鉄分が、化学反応を起して奇跡的に生まれた色なのです。
絣筵をテーチギ染料で染める
糊抜きを終えた絣筵をテーチ木染料に漬け込み、押し洗いのようにゆっくりと揉み込みながら、じっくり時間をかけてタンニンを染み込ませます。
途中でタンニンの付着力を高めるために石灰水に漬けて、そして、またテーチ木染料に戻し、ひたすら揉み込み続けます。それを何十回と繰り返していくうちに、白生地が可愛らしいピンク色から、だんだん茶褐色に変化していきます。
奄美大島の「泥」の特徴
奄美の泥は鉄分が多く、それに粒子が細かくて丸いとのこと。泥を触るとトロトロでとても気持ち良かったです。もし奄美大島以外の泥で染めると、絹糸が毛羽立ってしまい、キレイな織物にならないそうです。
泥の鉄分とテーチ木のタンニンが化学反応
ショールを泥水にゆっくりと漬け込み、やさしく全体に泥をなじませるように染めます。奄美の泥の鉄分がテーチ木のタンニンと化学反応し、だんだん黒褐色へ変わっていきます。
その絹糸の束を染色している泥田はハブが出没しやすい場所にあるので、細心の注意が必要です。さらに、夏は灼熱の太陽を浴びながら、冬は冷水に腰まで浸かり身体を凍えさせながら、職人さんたちは大量の絹糸を染めています。
日本人の肌によく合う「烏の濡れ羽色」に
泥染めをした絣筵を水洗いして、乾燥させて完成です。ちなみに、大島紬に使う絹糸は、テーチ木染めを20~30回と泥染め1回を1工程とし、これを根気よく4工程繰り返すと、糸の周囲に2つの染料が少しずつコーティングされ、糸が太っていきます。
大島紬が丈夫で長持ちして、洗い張りする度に着心地が良くなるのは、職人さん達が頑張ってくれているおかげです。もし化学染料だと1度で染まりますが、生地はすぐヘタってしまいます。
大島紬は丈夫で長持ち
大島紬の最大の魅力のひとつが「親子三代の宝物になる」こと。着込むほど肌になじみ、仕立て前の「洗い張り」をする度に、大島紬の風合いが良くなります。それに、今も昔も変わらず、オシャレ着物の横綱です。だから、母が思う存分に楽しんだ大島紬は、娘や孫娘へと必ず譲ることができるんですね。同じ大島紬を通じて、あなたと娘、孫という「時代」を超えて、家族で「思い出」をシェアできる着物です。
反物を織る前から「緻密な設計図」が必要
絣筵をテーチ木と泥田で染めた後にほどくと、綿糸で締められていた部分は、白い絣になり、締められていない絹糸の部分が、泥で染められ茶褐色になっています。
さらに、細かい模様部分は図案どおりに並べられ、部分部分をほどき、手で1ヶ所ずつすり込み染めしていきます。この「色差し」作業が終わった絣筵をほどき、最初に織り込んだ綿糸をすべて取り除き、絣はバラバラにします。この作業を経糸、緯糸それぞれに行ってはじめて絣糸が完成します。
大島紬は織る前から模様に
つまり、織る前から仕上がりをすべて計算に入れながら、締め機で絣を締め、糸1本1本を微妙に異なる色に染めていたわけです。織る人へ絹糸を渡す前に、最終的な糸の整理や準備をする作業です。染めた絣筵の木綿糸を全て取り除き、1本1本の糸の状態に戻します。
図案どおりに「手作業」で配列しなおし、縦絣を板にまきつけ、二度目の手織りとなる機にかけ、ようやく反物として織るわけです。この写真を見ても分かるように、経糸が織る前からすでに模様となっています。
忍耐が必要な「うなぐ ぬ しごと」
「うなぐ ぬ しごと」とは、奄美大島で「女の仕事」という意味です。「私たち、奄美ギャルよ~」そう大笑いしながら、お仕事の「機織り」について楽しそうに話す、60代のお母さんたち。
奄美の職人の中では、まだまだ若手の世代だそうです。細かい作業の連続で目の疲れと肩コリで大変みたいですが、これからも頑張ってほしいものです。
大島紬は準備加工が多い織物
上の写真は「おさ通し」に使われる筬羽(おさば)です。この細かいクシ状のものに、後ろ前を一組とした2本の糸を、一本ずつ手作業で通していきます。通常1300本近い糸を通しますので、気の遠くなるような細かい作業の連続になります。
泥染めした絣筵(かすりむしろ)を「印入れ⇒間解き⇒摺込み⇒蒸熱⇒全解⇒揚げ枠⇒仕上げ⇒綾ひろい⇒おさ通し⇒板巻」の準備加工を経て、いよいよ機織りの工程に入ります。
大島紬は織る前の準備だけでも、その工程数があまりにも多く、それぞれが複雑な技術を要求されるため、熟練工でも2日近くかかってしまうんですね。
本場「奄美大島の大島紬」の規格とは
奄美大島の大島紬は「絹100%・締め機・先染め・平織り・手機で絣合わせ」が規格です。板巻きの後、織機にピンと張られた経糸(たていと)の間を、緯糸(よこいと)がかいくぐるように織り込んでいきます。緯の糸には(模様の入った)絣糸と(無地の)地糸があり、これらを二筋ずつ交互に織っていきます。
この機織りだけでも、織る期間の長さは約1ヶ月で、複雑で細かい絣模様になると、2ヶ月以上かかる大島紬も珍しくありません。
大島紬はミリ単位の模様
織機にピンと貼られた経の絣糸を見てみると、まだらに染まった経ての絣糸が、すでに模様となっているのが分かります。図案の段階で仕上がりが緻密に計算されており、締め機・糸の泥染め・絣糸の順番などの各工程で、様々な職人たちがその設計図を忠実に守り、細かい作業を続けていました。
つまり、機織り以前の締め機で1mmでも狂ったり、絣糸を並べる順番が1本でも間違えたりすると、大島紬のあの美しく緻密なデザインは崩れてしまうのです。大島紬を作るには、全工程で些細なミスも許されません。
着物の「宝石」と評される大島紬
すべての柄は絣の「点と点」の集合体で表現されています。職人たちは細心の注意払いながら、非常に忍耐を要する緻密な作業を繰り返しています。
「点と点の交差」が、立体的な「美」を生む
絣糸には、締め機で白く残した「点」と、その点に色を挿した「点」が無数にあります。その経て(たて)に通した絣糸に、緯(よこ)の絣糸を折り返しながら織りますが、そのとき職人たちは、小さな「点」と「点」がキレイに重なるように集中力を注ぎ、注意深く織らなければなりません。それが複雑なデザインになると、数万もの超える「点と点の交差」が必要とします。
大島紬の柄は、絣の細やかさが命
大島紬は少しずつコツコツと織らなければならないため、大島紬は熟練の職人でも1日に30cm程度しか織れません。
さらに、7cmほど織るたびに、経糸を弛めて、細い針の先で絣の「点と点」を丹念に正しく揃え、絣の微妙なズレを調整しています。この1本の細い針をもった指先によって、不鮮明だった柄が段々くっきりと浮かび上がり、大島紬独自のうねるような「精緻な織りの世界」が生まれるのです。
大島紬 ぬ うりぎょらさ
奄美大島には、「大島紬の織りがキレイ」という意味の島唄「大島紬のうりぎょらさ」があります。とても心に染みる島唄ですので、ぜひ聴いてみてください。
大島紬は衣擦れの音が良い着物
大島紬は間違いなく、最高の素材と技術で織り上げた、最も素晴らしい着物の一つです。丈夫で長持ちする大島紬は、着込むほど肌になじみ、洗い張りをする度に風合いが良くなります。
大島紬に袖を通して歩いてみると、「シュッシュ」という衣擦れの音が心地良く聞こえてきます。裾さばきの滑りの良さと、シャリ感ある音が大島紬の魅力の一つです。
大島紬は着心地が良い着物
大島紬の素材には上質の細い絹糸を使い、一反の重さはたったの450グラム。一般的に、着物は「目方」が高品質の基準とされるので、ほとんどの着物が1kgの重さがあります。
だから、大島紬の袖を通すと、その「軽さ」に驚きを感じずにはいられません。大島紬は軽いから着ていてラクだし、シワになりにくく、雨にも汚れにも強く、寒空の下でも温かい。しなやかで柔らかい最高の着心地はすべて、職人たちの努力の賜物なのです。
大島紬の泥染は、日本人を美しくする色
奄美大島の自然と職人の営みが結び付くことで、大島紬独自のうねるような「緻密な織りと染め」の世界を表現しています。そんな大島紬の気品あふれる色彩は「カラスの濡れ羽色」と評され、まるで希少価値の高い宝石のようです。茶色がかった深い黒には気品があり、黒い瞳に黒い髪の日本女性の顔色をきれいに際立たしてくれます。
大島紬の検査と証紙
大島紬として世に出るためには、本場奄美大島紬協同組合の検査を通過しなければなりません。検査は熟練技師の手と目で行われます。
大島紬の検査技師
奄美大島紬の規格「絹100%・締め機・先染め・平織り・手機で絣合わせ」はもちろんのこと、反物の「長さ・幅・汚れ・傷・絣揃い・風合い...」といった24項目もの厳しい検査があります。ここで基準をクリアすると、証紙に合格スタンプを押してもらえます。
大島紬の証紙
奄美大島の証紙は「地球儀マーク」です。泥染めには「泥染証紙」、草木染には「草木染証紙」が貼られ、さらに経産省指定の「伝統的工芸品」のシールも貼られます。
証紙で製造者から販売先まで
大島紬の証紙を見ると「産地」「手織り」「機械織り」「染め方」がわかります。証紙はナンバーで「誰が織って、どこへ販売したか」まで管理されています。また偽造防止のために、反物と証紙の両方にパンチ穴が開けられています。
大島紬の楽しみ方とは
大島紬は着て楽しいカジュアル着物の横綱。たとえば、- 古都を散策
- お花見
- 紅葉狩り
- 食事会
- 同窓会
- お正月・初詣
- 観劇・美術鑑賞
着物姿で旅行
旅先で着物姿になると、きっと目に映る景色が風情あるものとなり、美しい景色を背景にした着物姿の写真は思い出となるはずです。また「古都」と呼ばれる観光地では、着物姿の方々を特別待遇で出迎えてくれます。たとえば、京都ではタクシーや地下鉄などの乗り物が安くなったり、観光スポットの入場料が「無料」になるのも有名ですよね。
着物姿で食事
美しい自然と大地から生まれた大島紬を着ると、不思議と自然が美しく感じられます。桜や紅葉の名所を着物姿で散策するだけで素敵な思い出ですよね。自然を身にまとい、暦とともに着物に季節感を演出することは、日本人の美意識であり心の豊かさでした。
また、着物姿で食事すると、旬な食材がより美味しく感じられます。季節の色柄で席を彩り、旬の食材を味わうことは、非日常的で、とっても贅沢な食事会ですよね。
着物が感性を高めてくれる
着物姿になると、いつもとは違う自分に出会えます。なぜなら着物は生地をキャンパスに見立てて、自然の美しさや生命力を描いた芸術作品。それを全身で身に纏うことで、美術品やアートを観賞する感性がきっと高まるはずです。
また、歌舞伎俳優は、舞台から見て着物姿が多ければ「刺激」を受けるそうです。 あなたの「着物に手間をかけて、舞台を観る」という心意気が、舞台をより盛り上げてくれるはずです。
大島紬の着付け
ちょっとした旅行や食事会に出かけるにしても、わざわざ着付けを頼むのも大変です。そこでおすすめなのが、えり正の「おてがる仕立て」です。この独自の仕立て法は、高価な着物や帯を切ることなく、初心者でも誰でも5分で着物姿に変身できます。
3分で着物を羽織れる仕立て
着物初心者でもあっという間に着付けできる仕立法です。糸をほどけば元どおりになるので、高価な大島紬でもご安心ください。独自の手法であらかじめ「おはしょり」を作っていますので、あとは着用時にベルトを留めるだけで着用完了となります。
2分で帯を結べる仕立て
着付けを習う上で、いちばんの難関は「帯結び」ではないでしょうか。「着物の着付けはできるけど、帯結びは忘れた」という方や「年齢とともに後ろに手が回りにくくななる方」がたくさんおられます。そこでおすすめなのが「おてがる仕立て」です。
何度か練習すれば、誰でもたった「2分」で帯をキレイに結べます。この造り帯の良さは、昔の文化帯とは違って、帯を「切らず」に仕立てることです。帯の糸をほどくと、簡単に元の袋帯や名古屋帯の姿・形に戻ります。つまり、高価な帯でも安心して造り帯にできるわけです。
大島紬のおすすめ保管法
大島紬は、染料の泥や藍には栄養素がある理由で、長年の保管しているとカビが生えやすい着物です。色が黒や藍色のため白いカビが目立ちやすいですので、日頃から保管方法にご注意してくださいね。
ガード加工
ガード加工は、ナノレベルの粒子が繊維と繊維の隙き間に入り込み、着物を汚れから強力に守ってくれます。また、五年の保証期間中は、よほどの汚れではない限り無料でケアさせていただきます。もちろん五年後も効果は持続しているので、汚れてもガード加工をしていない着物よりも安く洗うことができます。
保管パック
特殊樹脂で三層にコーティングされたこの袋で着物を保管すると、防虫・防カビ・黄変防止・金銀箔の黒変防止・染の色ヤケ防止など、様々な着物トラブルを予防できます。使い方はいたって簡単です。着物をたとう紙に包み、保管パックに入れて、ただ閉じるだけです。
また、保管パックから着物を取り出しても、繰り返し使用できるのも経済的で、うれしいポイントです。これなら長期間の保管も安心です。
大島紬を洋服にリフォーム
「母や姑が亡くなり、遺された上質な大島紬が行き場を失った」「昔は大島紬が好きで購入したが、今は着る機会がなくなった」といった方には着物リフォームがおすすめです。しかし餅は餅屋。大切な大島紬をちゃんとした洋服にリフォームしたいならプロに頼むことをおすすめします。
着物リフォームのデザイン
着物からリフォームされた洋服は、一般的に民芸品的なデザインになりがちで、とくに服のシルエットに洗練されていないように感じます。その理由は、着物の生地幅は洋服と違って狭く、生地に染織が施されているため、着物の知識と洋服のデザインセンスの両方が必要とされるためです。
着物リフォームの仕立て
和と洋で生地が違うことから、着物の素材を熟知している職人さんに縫製にしてもらいましょう。リフォーム後のメンテナンスや保管によって、生地が縮んで仕立てが狂うことがあるためです。
また、細かく大切な縫製は手仕事でやりつつ、正確かつスピーディなCADや機械を取り入れている職人さんであれば、仕上がりは美しく、料金もリーズナブルなことが多いです。
着物リフォームの料金相場
着物のリフォームは、スーツ・ジャケット・ブラウス・スカート・ワンピース・ベスト・コート・ドレス、バッグや小物類など、様々な形にリフォームできます。作業工程や難易度、使用する用尺によりリフォーム料金は多少変わりますが、えり正であれば、帽子20,000円〜、スカート38,000円〜、ベスト70,000円〜、コート95,000円〜ほどでご依頼いただけます。
なお、縫製以外の「ほどき・洗い張り・二次加工・副資材・デザイン料」も含まれていてお得です。
おすすめは大島紬のコート
大島紬のリフォームでとくにおすすめなのがコートです。大島紬は軽くても冬は暖かく、生地の風合いやシャリ感を楽しめるなど、まさにオシャレ着物の横綱です。また、大島紬は親子三代で受け継がれていくほど、耐久性のある着物であることから、少々雑な扱い方をしてもへこたれないほどしっかりしたコートになります。
大島紬の相談は「えり正」へ
大島紬の製作過程には、製糸、泥染め、締め機、織り、加工といった多くの工程があり、それぞれが非常に複雑です。職人が心を込めて織り上げる大島紬は、語り尽くせないほどの魅力を私たちに提供してくれます。
文化財産そのものである大島紬を次世代へ継承する責任は、現代社会に生きる私たちに他なりません。
そのため、私たちは大島紬の魅力を広める活動と、プロの知識による大島紬のメンテナンスを大切にしています。大島紬に関するどんなことでも、「えり正」までご相談ください。
\お気軽にご相談ください/
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